「BASFのカセットテープって今でも手に入るの?」「どのモデルが音質いいの?」そんな疑問を持つ方に向けて、この記事ではBASFカセットテープの歴史・種類・相場・入手方法まで徹底解説します。磁気テープを世界で初めて発明したドイツの名門メーカーBASFは、カセットテープ黄金期に数々の名作を生み出しました。現在は生産終了となっていますが、ヴィンテージ市場での人気は衰えていません。この記事を読めば、BASFテープの全貌が理解できます。
BASFカセットテープとは?世界初の磁気テープを生んだブランド

BASFカセットテープは、ドイツの総合化学メーカー「BASF SE」が製造・販売していたオーディオ用カセットテープブランドです。
単なる音楽録音メディアではなく、世界で初めて磁気テープを開発したメーカーとして、オーディオ史に深く刻まれた存在です。
TDKやmaxell、SONYといった日本メーカーとともに、カセットテープ全盛期を支えたBASFのテープは、特にヨーロッパ市場で絶大な信頼を誇っていました。
現在では生産が完全に終了しており、デッドストック品や中古品のみが市場に流通しています。
BASFは磁気テープを発明したドイツの総合化学メーカー
BASF(バーディシェ・アニリン・ウント・ソーダ・ファブリーク)は、1865年にドイツのルートヴィヒスハーフェンで創業した世界最大級の総合化学メーカーです。
化学薬品・農薬・塗料・プラスチックなど多岐にわたる事業を展開する一方、20世紀前半から磁気記録技術の開発にも積極的に取り組みました。
1935年、BASFは世界で初めてカルボニル鉄を用いた磁気テープを量産化(酸化鉄への切り替えは1936年以降)し、録音メディアの歴史に革命をもたらしました。
その後、オープンリールテープからコンパクトカセットテープへと技術を進化させ、フィリップス社と協力してカセットテープの普及を牽引しました。
磁気テープ部門はBASFの中でも先進的な技術開発部門として長年にわたり世界市場をリードし続けました。
現在は生産終了|デッドストック・中古のみ流通
BASFカセットテープは1990年代に磁気テープ事業を売却し、現在は一切生産されていません。
市場に流通しているのは、倉庫に眠っていたデッドストック(未使用在庫品)や、かつて使用されていた中古品のみとなっています。
流通チャネルはヤフオク・メルカリ・eBayなどのオークション・フリマサイトが中心で、ハードオフなどのリサイクルショップでも稀に発見できます。
未開封のデッドストック品は希少価値が高く、モデルによっては数千円〜1万円以上の価格で取引されるケースもあります。
【FAQ】読み方・本社・今でも買える?によくある疑問に即答
Q. BASFの正しい読み方は?
A: アルファベットをそのまま読んで「ベー・アー・エス・エフ」が正式な読み方です。日本では「バスフ」と読まれることもありますが、公式にはアルファベット読みが一般的です。
Q. BASFの本社はどこにある?
A: ドイツのルートヴィヒスハーフェン・アム・ライン(Ludwigshafen am Rhein)に本社を置く、世界最大級の化学メーカーです。現在も化学品事業は継続しており、磁気テープ事業のみが終了しています。
Q. 今でもBASFカセットテープは買える?
A: 新品は製造・販売されていませんが、ヤフオク・メルカリ・eBayなどのオークションサイトやリサイクルショップでデッドストック品・中古品を購入できます。未開封品も一定数流通しています。
Q. BASFカセットテープはどの国で製造されていた?
A: 主に西ドイツ(現ドイツ)で製造されていましたが、後期はベルギーやその他ヨーロッパ各国の工場でも生産されました。「Made in W. Germany」の刻印があるものはコレクターから特に人気があります。
BASFカセットテープの種類と特徴【Type別に解説】

BASFカセットテープはテープの磁性体素材によって大きく3タイプに分類されます。
Type I(ノーマルポジション)・Type II(ハイポジション)・Type IV(メタル)の3種類があり、それぞれ対応するデッキの設定や音質特性が異なります。
自分の用途や手持ちのデッキに合ったタイプを選ぶことが、BASFカセットテープを最大限に楽しむための第一歩です。

Type I(ノーマル):LH・ferro super・ferro maximaの特徴
Type I(ノーマルポジション)は、酸化鉄(Fe₂O₃)を磁性体に使用したもっとも一般的なカセットテープです。
BASFのノーマルテープ代表モデルには以下の3種類があります。
- LH(Low Noise High Output):低雑音・高出力を意識したエントリーモデル。日常的な録音に適しており、価格もリーズナブル。1970年代から長く販売された定番品。
- ferro super:LHよりもさらに高品位な磁性体を採用した中級モデル。中音域の再現性が高く、バランスの取れた音質が特徴。ポップスや声楽の録音に向いている。
- ferro maxima:ノーマルポジション最上位グレード。高域の伸びと低域の力強さを両立させた高性能モデルで、コレクターからも高い評価を得ている。
ノーマルポジションテープはバイアス設定「Type I(120μs EQ)」に対応したデッキで使用します。
LHは現在でも比較的入手しやすく、500〜1,500円程度で取引されることが多いです。

Type II(ハイポジ):Chromdioxid・Chrome Maximaの特徴
Type II(ハイポジション)は、二酸化クロム(CrO₂)または疑似クロム(フェリクローム)を磁性体に使用した高品位テープです。
BASFはType IIの規格確立において特に重要な役割を果たしたメーカーであり、1970年代初頭にクロムテープをいち早く発売したパイオニアとして知られています。
- Chromdioxid(クロムジオキシド):二酸化クロム磁性体を使用した純正クロムテープ。高域特性に優れ、クリアで透明感のある音質が特徴。ヒスノイズが少なく、クラシック音楽やジャズの録音に特に向いている。
- Chrome Maxima:クロムポジション最上位モデル。優れた高域特性に加え、ダイナミックレンジの広さが際立ち、音楽のニュアンスを細部まで再現する。1989年モデルは特に音質が高く評価されている。
TypeIIテープはバイアス設定「Type II(70μs EQ)」対応のデッキで使用する必要があります。
ChromdioxidはTypeIIの規格そのものがBASFの製品を基準に制定されたとも言われており、その歴史的意義は非常に大きいです。

Type IV(メタル):Metal IV・Metal Maximaの特徴と希少価値
Type IV(メタルポジション)は、純金属粉(メタルパウダー)を磁性体に使用した最高性能テープです。
ノーマルやハイポジを大きく上回る出力・高域特性・ダイナミックレンジを持ち、ハイファイ録音に最適とされます。
- Metal IV:BASFのメタルテープスタンダードモデル。金属粉磁性体によるワイドレンジな音質再現が特徴で、ロックやポップスのダイナミックな表現に優れる。
- Metal Maxima(TP IV Metal Maxima):メタルポジション最上位モデル。BASFのカセットテープの中でも最高峰とされ、コレクター間で特に高い評価を受けている。透明感と力強さを兼ね備えた音質は、往年のカセットデッキ愛好家から『最高傑作』と称されることも多い。
Metal Maximaは現在のオークション市場で未開封1本あたり2,000〜8,000円以上の価格で取引されることもある希少品です。
メタルテープはType IV対応のデッキでのみ最大性能を発揮します。対応デッキを持っていない場合は性能を十分に引き出せないため、購入前にデッキのスペックを確認することが重要です。
Metal Maximaの音質については以下の動画でも詳しく紹介されています。
BASFカセットテープの歴史【1935年〜撤退まで】

BASFカセットテープの歴史は、単なる製品の歴史ではなく、録音メディアそのものの歴史といっても過言ではありません。
1935年の磁気テープ発明から1990年代の市場撤退まで、BASFは常に磁気記録技術の最前線に立ち続けました。
その歴史を時系列で追うことで、BASFテープがなぜこれほどまでに多くのオーディオファンに愛されているかが見えてきます。
1935年:世界初の磁気テープを開発した背景
1935年、BASFはドイツのAEG社と共同で世界初のテープレコーダー「MAGNETOPHON(AEG製)」向けの磁気テープを開発・供給しました。
それまでの録音メディアはワックスシリンダーや金属ディスクが主流で、音質・耐久性・取り扱いの容易さすべてにおいて限界がありました。
BASFが開発した磁気テープは、酸化鉄の粒子をプラスチックフィルムにコーティングするという画期的な製法を採用しており、高音質・軽量・長時間録音を一度に実現しました。
この技術は第二次世界大戦中にドイツの放送局で実用化され、戦後にアメリカをはじめ世界中の放送・音楽産業に広まりました。
BASFの磁気テープ発明は、現代のすべての録音メディア——カセットテープ・DAT・VHS・ハードディスクに至るまで——の技術的出発点となった歴史的発明です。
1960〜80年代:カセットテープ黄金期の代表製品
1963年にフィリップス社がコンパクトカセットの規格を発表すると、BASFはその開発パートナーとして積極的に参画しました。
1960年代後半から70年代にかけてBASFは「LH」シリーズを中心にノーマルポジションテープを次々と投入し、特にヨーロッパ市場で高いシェアを獲得しました。
1970年にはType II(クロムテープ)を世界に先駆けて発売し、Type IIの国際規格自体がBASFの製品仕様を基準に策定されたとも言われています。
1980年代はカセットテープ文化の全盛期であり、BASFもfero super・ferro maxima・Chrome Maximaといった高品位モデルを相次いでリリースしました。
この時代のBASFテープはデザインも洗練されており、西ドイツらしいシンプルかつ機能美を感じさせるパッケージは現在でも多くのファンを魅了しています。
また、BASFはこの時期に「SMメカニズム(Security Mechanism)」と呼ばれる独自のテープ巻き乱れ防止機構を開発・特許取得しており、品質への徹底したこだわりを示していました。
1990年代:事業売却・EMTEC移行・市場撤退の経緯
1990年代に入ると、CDの急速な普及やデジタルメディアの台頭により、カセットテープ市場は縮小し始めました。
BASFは1997年頃に磁気テープ事業をコングロマリットに売却し、その事業は「EMTEC」ブランドとして継承されました。
EMTECはBASFのテープ製造設備・技術を引き継ぎ、一時期はBASFブランドのカセットテープをOEM生産する形で販売を継続しましたが、最終的にはBASFブランドのカセットテープとしての生産は完全に終了しました。
BASFブランドのカセットテープが消えた背景には、①デジタルメディアへの移行加速、②テープ市場の価格競争激化、③BASFとしての主力事業(化学)への経営資源集中——という3つの要因が重なっていました。
BASFカセットが消えた経緯についてはこちらの動画も参考になります。
BASFカセットテープの相場と価値【モデル別の目安】

BASFカセットテープは生産終了から数十年が経過した現在も、ヴィンテージオーディオ市場で安定した需要があります。
モデルや状態によって価格差が大きく、数百円で購入できるものから1万円を超えるものまで幅広く流通しています。
ヤフオクの落札データによると、BASFカセットテープの過去120日間の平均落札価格は約12,089円(複数本セット込みの場合を含む)となっています。
参考:Yahoo!オークション BASFカセットテープ落札相場
価格帯別モデルリスト|1,000円以下〜5,000円以上
以下に、2026年現在のオークション・フリマ市場での価格帯別モデルの目安をまとめます(いずれも1本あたりの参考価格)。
| 価格帯 | 代表モデル | 状態 |
|---|---|---|
| 300〜800円 | LH C60、LH-X60 | 中古・使用済み |
| 800〜1,500円 | LH C60 未使用、ferro super | デッドストック・中古良品 |
| 1,500〜3,000円 | ferro maxima、Chrome Extra II | 未開封・良品 |
| 3,000〜5,000円 | Chromdioxid、BIAS 90 | 未開封・レアデザイン |
| 5,000円以上 | Metal Maxima、PRO I、初期ロット | 未開封・シュリンク付き |
メルカリでは「BASF PRO I 46」が870円(中古美品)、「BASF BIAS 90 & 60セット」が980円(レア品)などで出品されている実例があります。
高値がつく条件|未開封・レアカラー・初期ロット
BASFカセットテープで特に高額取引される条件は主に以下の通りです。
- 未開封・シュリンク包装あり:外装フィルムが完全に残っている未開封品はコレクター価値が格段に上がる。同モデルでも開封済みと比べ2〜5倍の価格差がつくこともある。
- 初期ロット・西ドイツ製(Made in W. Germany):ベルリンの壁崩壊(1989年)以前に製造された「West Germany」表記品は希少性が高い。
- レアカラー・限定デザイン:通常版とは異なるカラーリングやパッケージデザインのモデルはコレクター間で人気が高い。
- Metal MaximaなどType IV最上位品:メタルテープは製造コストが高く、流通量も少ないため全般的に高値がつきやすい。
- まとまったロット(未開封10本以上):同一ロットの未開封品がまとまって出品される場合、希少性から価格が上昇しやすい。
Etsyでは「BASF Chrome Extra II 90 | 1988 | タイプ2カセットテープ | 未開封 フランス」のような形で海外向けにも販売されており、国際的なコレクター需要があることがわかります。

買取に出す場合の相場目安と注意点
BASFカセットテープを売却する場合、最も高値がつきやすいのは個人間取引(ヤフオク・メルカリ)です。
リサイクルショップや買取専門店は仕入れ・在庫コストがかかるため、市場価格の20〜50%程度での査定になることが多いです。
買取時の注意点としては以下が挙げられます。
- まとめて売るよりも、モデル別・状態別に分けて個別出品した方が合計額が高くなりやすい。
- 未開封品のシュリンクや外装フィルムは絶対に剥がさない(価値が大幅に下がる)。
- 出品時は製造国・ロット・テープタイプを明記すると購入者の信頼が高まり、価格も上げやすい。
- 磁気テープは経年劣化するため、長期保管品は再生確認済みであることを明記すると落札率が上がる。
BASFカセットテープの入手方法【どこで買える?】

BASFカセットテープは新品での購入が不可能な現在、どのルートで手に入れるかが重要になります。
国内外を問わず複数の入手チャネルを把握しておくことで、目当てのモデルを見つけやすくなります。
ヤフオク・メルカリ|流通量が多く相場比較しやすい
国内でBASFカセットテープを探すなら、ヤフオクとメルカリが最も流通量が多く、価格比較もしやすい選択肢です。
ヤフオクでは2026年3月時点で約41件以上が出品中であり、落札相場も閲覧できるため購入前の価格リサーチに役立ちます。
メルカリでは「BASF LH-X60(360円)」「BASF PRO I 46(870円)」「BASF BIAS 90 & 60セット(980円)」など手頃な価格の出品も見られます。
検索時は「BASF カセットテープ」「BASF LH」「BASF chrome」など複数のキーワードで検索すると見落としを防げます。
参考:Yahoo!オークション|BASF カセットテープ出品一覧
ハードオフ・リサイクルショップ|掘り出し物の可能性
ハードオフをはじめとするリサイクルショップでは、BASFカセットテープが相場より安い価格で販売されていることがあります。
特に地方の店舗では、往年のオーディオ愛好家の遺品整理品などが持ち込まれることがあり、未開封品の掘り出し物が見つかることも少なくありません。
ハードオフのオンラインショッピングサイト「オフモール」でも、BASFカセットテープが取り扱われた実績があります。
店舗ごとに在庫状況が異なるため、近隣の複数店舗を定期的にチェックする「巡回」スタイルが有効です。
海外オークション(eBay)|レアモデルは海外が豊富
BASFはヨーロッパのブランドであるため、日本国内よりもヨーロッパ・北米の市場に希少モデルが多く流通しています。
eBayでは西ドイツ製の初期ロット品・Metal Maxima・限定デザイン品なども出品されており、国内では入手困難なモデルが見つかる可能性があります。
注意点として、海外からの購入には送料(通常1,000〜3,000円程度)・関税・到着まで2〜4週間かかるリスクがあります。
出品者の評価と取引実績を必ず確認し、信頼性の高いセラーから購入することをおすすめします。
Etsyでも海外セラーからBASFテープが多数出品されており、写真付きで状態確認しやすい点でeBayと並んでおすすめできるプラットフォームです。
専門店・ヴィンテージショップ|状態保証で安心
ヴィンテージオーディオ専門店や中古レコードショップでは、BASFカセットテープが状態確認済みの上で販売されていることがあります。
Western LaboのようなオーディオB系専門の通販サイトでもBASF C60 LHなどが不定期に入荷・販売されています。
価格はオークションより若干高めになることが多いですが、状態確認済み・返品対応可の店舗であれば初心者にも安心です。
参考:Western Labo|BASF C60 LH カセットテープ
BASFカセットテープの偽物・劣化品の見分け方

生産終了から長年が経過したBASFカセットテープには、偽物・粗悪コピー品・劣化した経年品が市場に混入するリスクがあります。
特にオークション・フリマサイトでの購入時には、購入前に以下のポイントを確認することが重要です。
シュリンク・外装フィルムの状態を確認する
未開封品として出品されているにもかかわらず、シュリンクフィルムに折れ・傷・開封跡がある場合は注意が必要です。
正規の未開封品はシュリンクが均一に密着しており、開封後に再シュリンクしたものとは光の反射や皺の入り方で区別できることがあります。
外装フィルムがない「未使用品」は、開封済みだが未使用の可能性と、偽物・別物テープを入れ替えた可能性の両方があるため、出品者への問い合わせで確認することをおすすめします。
テープ本体のハーフ(筐体)に変色・ひび・白化が見られる場合は、保管環境が悪く磁性体にも劣化が生じている可能性があります。
製造国・ロット番号でオリジナルか判定する
本物のBASFカセットテープには製造国・製造年代を示す刻印やラベルが必ず存在します。
- 「Made in W. Germany(西ドイツ)」:1989年以前製造の最初期品。コレクター価値が高く、ラベルの書体・色調が年代ごとに異なる。
- 「Made in Germany」:1990年以降の製品。東西ドイツ統一後の表記。
- 「Made in Belgium / Luxembourg」:後期にはヨーロッパ他国での生産も行われた。正規品だが、西ドイツ製より流通量が多い。
ハーフ(カセット本体)の成型ゲート跡・インジェクションラインの精度も正規品の判定基準になります。BASFの正規品は品質管理が厳格であったため、ハーフの仕上がりが非常に精巧です。
出品者の評価・過去取引履歴をチェックする
ヤフオク・メルカリでの購入時は、商品そのものの確認に加えて出品者の評価・取引履歴を必ず確認してください。
評価件数が少ない・低評価が複数ある・カセットテープ以外の雑多な商品を大量出品しているアカウントは注意が必要です。
過去の取引でカセットテープ関連商品を多数取り扱っている出品者は、商品知識があり詐欺リスクが低い傾向があります。
不明な点は購入前に質問し、写真の追加提供を依頼することで多くのリスクを回避できます。「シュリンクあり/なし」「製造国」「ロット番号」「テープ走行確認の有無」などを事前確認するのが鉄則です。
BASFカセットテープの使い方【設定・保管・再生のコツ】

せっかく手に入れたBASFカセットテープも、正しい設定と保管方法を知らなければ本来の音質を引き出せません。
デッキの設定・使用前の準備・保管環境の3つのポイントを押さえておきましょう。
テープタイプ別の推奨バイアス・EQ設定一覧
カセットテープは種類によって対応するデッキの設定が異なります。設定を誤ると音質の劣化・高音の歪み・ヒスノイズの増大につながります。
| テープタイプ | バイアス設定 | EQ(イコライザー) | 代表モデル |
|---|---|---|---|
| Type I(ノーマル) | Normal | 120μs | LH、ferro super、ferro maxima |
| Type II(ハイポジ) | High | 70μs | Chromdioxid、Chrome Maxima |
| Type IV(メタル) | Metal | 70μs | Metal IV、Metal Maxima |
多くのカセットデッキはテープのハーフ(筐体)底面にある検出穴を自動感知してタイプを判別しますが、古いデッキや一部モデルは手動設定が必要です。
最高音質を求めるなら、デッキのバイアス微調整機能(Bias Adjust)で個別最適化することをおすすめします。
古いテープを使う前にやるべき3つの準備
長期保管されたBASFカセットテープを使用する前には、以下の3つの準備を行うことで安全に再生・録音できます。
- テープのリワインド(巻き直し):長期保管中にテープが片側に偏って巻かれていると、走行不良や音揺れの原因になります。使用前に一度早送り→巻き戻しを行い、テープテンションを均一に整えましょう。
- デッキのヘッドクリーニング:古いテープはヘッドに磁性粉が付着しやすいです。クリーニングテープまたは綿棒+イソプロピルアルコールでヘッドを拭き取ってから使用してください。
- 室温への順応:冷暗所で保管していたテープは、突然暖かい室内で使用すると結露が発生することがあります。使用前に30分程度室温に馴染ませることが推奨されます。

劣化を防ぐ保管方法|温度・湿度・磁気の管理
磁気テープは温度・湿度・磁気の影響を受けやすく、不適切な環境での保管は磁性体の劣化・テープの変形・音質の低下を招きます。
- 温度:15〜25℃が理想。高温(40℃以上)はバインダー(接着剤)の劣化を加速させ、テープがスプールに貼り付く原因になる。
- 湿度:相対湿度40〜60%が目安。高湿度環境ではカビ・バインダー加水分解が発生しやすい。低湿度すぎると静電気が発生しやすくなる。
- 磁気:スピーカー・モーター・電源トランスなど強磁界を発する機器の近くに保管しない。磁化されると録音内容が劣化する。
- 直射日光:紫外線でハーフ(筐体)が変色・脆化するため、日光の当たらない場所に保管する。
- 縦置き保管:テープをケースに入れた状態で縦置きにすることで、重力によるテープの変形を防げる。
BASFカセットテープと他ブランドの音質比較

BASFカセットテープの音質を正しく評価するためには、同時代に競合していた日本の主要ブランドとの比較が欠かせません。
TDK・maxell・Sonyとの違いを理解することで、自分の目的に合ったテープ選びができます。
音質傾向の違い|BASF・TDK・maxell・Sonyの特徴
| ブランド | 音質傾向 | 強み | 弱み |
|---|---|---|---|
| BASF | ナチュラル・フラット | 中域の自然な再現性、ヨーロッパ的な透明感 | 日本製と比べ高域の煌びやかさはやや控えめ |
| TDK | 明瞭・シャープ | 高域の伸びと解像感、録音レベルの安定性 | 音の硬さを感じるケースも |
| maxell | ウォーム・豊か | 低域の力強さ、音楽的な温かみ | 高域の細かい表現がやや丸い |
| Sony | バランス・クリア | ノイズの少なさ、均整の取れた周波数特性 | 個性はやや薄め |
BASFの最大の特徴は「ナチュラルで着色感のない音質」です。
日本製テープが高域の煌びやかさや低域の迫力を意図的に強調する傾向があるのに対し、BASFは原音に忠実なフラットな音質を追求していました。
この特性はクラシック音楽・ジャズ・アコースティック系の録音に特に適しており、欧州のオーディオ愛好家から高い評価を受けた理由でもあります。
Chrome Maximaの音質実演については以下の動画が参考になります。
ジャンル別おすすめ|クラシック・ロック・ポップスに合うのは?
BASFカセットテープはジャンルによって相性の良いモデルが異なります。用途に合わせてモデルを選ぶことで最大限の音質を引き出せます。
- クラシック・アコースティック:Chrome Maxima または Chromdioxid がおすすめ。高域の透明感と解像度が活き、ホールの空気感まで再現できる。
- ジャズ・ボーカル:ferro maxima または Chrome Maxima。中域の自然な厚みがボーカルや管楽器を魅力的に表現する。
- ロック・ポップス:Metal IV または Metal Maxima。ワイドダイナミックレンジでドラムやエレキギターのアタック感を損なわず収録できる。
- 日常録音・エアチェック:LH または ferro super で十分。コストパフォーマンスが高く、一般的な録音には申し分ない品質。
BASFのType IIテープは音楽ジャンルを問わず高い評価を得ており、特に「録音した音を自然に再現したい」というユーザーには最適なブランドといえます。

まとめ|BASFカセットテープは「歴史を聴く」体験

BASFカセットテープは、単なるヴィンテージオーディオグッズではありません。
1935年に世界初の磁気テープを発明したメーカーが、その技術の結晶として生み出した「録音文化の原点」ともいえる存在です。
この記事の重要ポイントをまとめます。
- BASFは1935年に世界初の磁気テープを発明したドイツの総合化学メーカー。Type IIの国際規格もBASF製品が基準となった。
- ラインナップはType I(LH・ferro super・ferro maxima)・Type II(Chromdioxid・Chrome Maxima)・Type IV(Metal IV・Metal Maxima)の3系統。用途に応じて使い分けるのが理想。
- 現在は生産終了しており、入手はヤフオク・メルカリ・eBay・ハードオフが中心。未開封品は数千円〜1万円以上の価値がある場合も。
- 音質はナチュラル・フラットが特徴で、クラシックやアコースティック系の録音に特に向いている。
- 購入時はシュリンクの状態・製造国の確認・出品者の評価チェックを忘れずに。
BASFカセットテープを手に取り、針を落とすようにテープを走らせる瞬間、あなたは磁気テープ発明の歴史と、カセットテープ黄金期のサウンドを同時に体験することになります。
ぜひ、自分だけの一本を見つけて「歴史を聴く」特別な体験を楽しんでください。


コメント